アカカンガルーの人工哺育
今年の2月22日、アカカンガルーのアラシ(メス)が死亡しました。原因は、化膿などの症状がみられるカンガルー特有の病気、カンガルー病です。
(アカカンガルー家族:右から2番目がアラシ)
アラシが死亡したとき、アラシのお腹の袋「育児嚢(いくじのう)」には小さなこどもがいました。体重は、わずか300g程です。
アラシの忘れ形見を育てるべく、人工哺育が始まりました。
まだ、ほとんど毛が生えていません。(3/8撮影)
こんな小さくても、おなかには既に袋が!!メスであることが分かります。
哺乳が終わった後は、手で刺激して排泄を促します。
一通りのお世話が終わると、お腹の袋に見立てたバッグに入れて、
小動物用の集中治療室(ICU)で過ごしてもらいます。この作業を当番制で、一日に何回も行います。
便の状態が悪かったり、なかなかミルクを飲んでくれないことがあったりと、心配なことも多々ありました。(3/20撮影)
しかし、徐々にうっすらと毛が生えそろいはじめ、耳もしっかりしてきて、カンガルーらしさが出てきました。(4/15撮影)
そして、4月下旬には体重も1kg程となり、本来ならお母さんの袋から顔を出す頃合いになりました。そこで、飼育員がバッグに入れて、お散歩も始めました。お母さんの袋生活を再現しつつ、骨の成長に必要な日光に当たってもらうためです。(4/24撮影)
さらに、最近は歩く練習もはじめました。5月10日は、初めて歩いた「ピョンピョン記念日」です!
お腹の袋もしっかりしてきました。(5/11撮影)
また追って、こどもの成長をご報告したいと思います。