環境エンリッチメントって何?「サルたちにあげるフィーダー作り」を行いました

先日、「世界サルの日(12/14)」にちなんで「サルたちにあげるフィーダー作り」を行いました。
(12/9開催済み、事前申し込み制)
まずは、飼育スタッフによる担当動物の紹介や、その動物種の生態、「エンリッチメント」についてのお話です。

英語だとエンリッチメントは
[En - rich - ment]=[~する ー 豊かな ー 状態]
という意味になります。

飼育下の動物たちは、野生動物より刺激が少ない生活環境です。
そこで、欠けている刺激や、環境要因を突き止め、どのように補うかによってエンリッチメントは5つのタイプに分けられます。
今回はその中でも[飼料エンリッチメント※]を中心にお話しました。
※給餌方法や飼料の品目を変更・追加したり、採食に関わる行動上の選択肢を増加させる方法です。

ちなみに他には以下の様なエンリッチメントがあります。

・空間エンリッチメント…動物の特性に配慮した空間づくり
・感覚エンリッチメント…動物の五感を刺激する
・社会エンリッチメント…飼育環境の中に社会的な刺激を増やす
・認知エンリッチメント…動物の知性や能力を刺激する

野生の動物たちは、食べ物を探し求めることが生活の大半を占めています。
ですが動物園での生活では、スタッフが用意したエサが時間になれば出てきます。

そんな飼育下の動物たちの生活を能動的で豊かにすることは、動物園の大切な取り組みの一つであり、動物たちの健康維持にもつながります。 

そこでフィーダーの登場です。
フィーダーとは、動物たちが時間をかけてエサを食べられるような工夫がしてある容器のことです。
今回のイベントでは、時間をかけて工夫しながら食事を楽しんでもらうための、簡単なフィーダー作りを通して、野生動物に関するエンリッチメントについて学んでもらいました。
ではでは、さっそくフィーダー作り!
穴の開いた塩ビ管(塩ビパイプ)に、動物が手を入れても傷つかないよう、ヤスリをかけてもらいます。
ぶら下げるひもを通して、蓋をします。
出来上がったフィーダーは、動物たちに使ってもらいます。
今回はシシオザルとダイアナモンキーの2チームに分かれ、観察にでかけました。
フィーダーに対してどんな反応や行動をしているか「観察シート」を使い、じっくり観察してくださいね~。
こちらはダイアナモンキーのリップス、ミナの獣舎です。
このぶらさがったフィーダー、触ると当然、揺れます。
不安定な物からどうやってエサを取り出すのでしょうか…。
四苦八苦するうちに、紐を手繰り寄せることに成功したリップス。
カラカラとペレットの音はするけど顔は入りません。
さて、どうするでしょうか?
格闘すること10分ほど、転がしたり、手を突っ込んだりして、エサを取り出すことに成功しました♪
なぜか、食べるたびにこちらにアピールするリップス。
どや?ってとこでしょうか。
こちらはシシオザル舎の様子。
エサを入れてもらいます。
ボクより長いですねぇ。
これをセッティングしますよ。
食べてくれるかな?
シシオザルのハル♂です。
おお~、エサとりだせるかしら?
・・・苦戦するハル。
結局、観察の時間内には、ぶら下がっているフィーダーから上手に取り出せなかったようで、もうひとつのフィーダーを床に転がしてもらったそうですw
幼児から大人まで、様々な方が参加してくださいましたが、皆さん、集中して取り組んでくださいました。
環境エンリッチメントについて、知っていただく機会になったのではないかと思います。

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