はな子の「歯」のひみつ
今月上旬のことです。アジアゾウ「はな子」の歯が抜けました。
7歳の男の子に持ってもらいました。
(はな子と同じで、ちょうど歯が抜けたばかりだそうです)
今回抜けたのは、右の上の奥歯のようです。
ゾウは奥歯(臼歯)しか持っていません。上下と左右で計4本。
毎日たくさんの草や葉っぱを食べているゾウは、この4本の歯で噛み続けています。
とても大きく重い歯です。
表面は凸凹がついて、食べ物をすりつぶしやすい噛み合わせになっていますね。
噛み合わせ部分は、長さ17センチ・幅9センチです。
今回歯が抜ける前後で、はな子の採食の様子はあまり変化ありませんでした。
秘密はゾウの歯の生え方にあります。
ヒトの歯は、新しい歯が古い歯を垂直に押し出して生え変わりますが、
ゾウの歯は、あごの奥から手前に新しい歯が古い歯を水平に押し出すように生えてきます。
こうすることによって、噛めない時期がなくなるのです。
山のようになっているのが、歯茎に埋まっていたところです。
高さ12センチ、重さ1.8キロです。
そして、ヒトは乳歯から永久歯に一度生え変わるだけですが、
ゾウはなんと一生で5回、6本も歯が生え変わります。
なので、堅いものをいっぱい食べて歯が擦り減っても大丈夫なんです。
現在推定44歳のはな子はおそらく最後の歯になりましたが、
これからも立派な歯をつかってモリモリと食べてほしいですね。
ゾウの歯の仕組みについては、ゾウ舎に解説用の模型を置いています。
是非お立ち寄りください。