ほめて伸ばす!ハズバンダリートレーニング
みなさんは「ハズバンダリートレーニング」という言葉を聞いたことがありますか。 トレーニングというと“忍耐”や“根性”、“努力”など、 動物にたくさん“我慢”をさせてかわいそう、と思ってしまわれがちですが、 このトレーニングは動物が自ら動くものです。 しかもお仕置きなどの罰を与えるものではなく、 ほめたりご褒美をあげたりして動物たちが喜んで行動します。 また、あくまで動物の健康管理のために行っているものであって、 芸などをさせることが目的ではありません。 水族館ではかなり前から行われてきましたが、 ここ最近では動物園でも積極的に行われるようになってきました。 ここ福岡市動物園でも、ゾウやキリンなどたくさんの動物で、 ハズバンダリートレーニングを行っています。 その中でも今回は、サルたちのトレーニングを紹介します。 トレーニングは基本的に、 「サインを出す」→「こちらが望んでいる行動を動物がする」→「ホイッスル」→「ごほうび」の流れです。 やるかやらないかの選択は動物にあって、 無理矢理させるのではなく、動物が楽しんで行っているのが特徴です。 トレーニングを行っているサルは、ブラッザグエノン3頭とダイアナモンキー3頭の計6頭です。 サルによってトレーニングの進み方に差はありますが、まず体重測定を行っています。 体重は全ての動物の健康管理の第一歩になるからです。 ダイアナモンキー、クラリちゃんの体重測定です。 飼育員が動物の体を触れるようになる前段階として、タッチを行っています。 野生動物にとって他の種類の動物に体を触られることは捕食される時、 つまり食べられてしまう時なので、時間をかけて進めていきます。 ブラッザグエノン「レン」君のハイタッチです。 このレン君のハイタッチは、新春福引大会の1等だったのでご存知の方も多いかと思います。 レン君は小さい頃から“てんかん”と思われるけいれん発作を何度も起こし、 膝蓋骨(しつがいこつ。ひざのお皿の骨)を骨折していたりもしてジャンプが上手にできません。 また、繁殖させることが出来ないので、ずっとひとりなのです。 そのせいもあってかとても人懐っこい性格で...